水晶の素顔    by  ZAZA9013試験ぶちぎれバージョン

 

 

 

1 招かれざる客

 

事前に連絡があったとはいえ、会うのが苦痛な相手が城にやってきた。

秘書官が彼の到着をつげにきたとき、フィガロ国王エドガーの憂鬱は頂点に達した。

「・・・・お通ししろ。」

「はい。かしこまりました」

エドガーは渋い顔をしつつ、執務室から謁見の間へと急いだ。

ガストラ帝国からの使者である。

経済協力、技術提供、関税の引き下げ等、強大な軍事力を背景に強引な条約をつぎつぎと結ばせ続ける・・。

フィガロの機械技術を帝国は重く見ていた。

他国よりは、多少は有利な条件のもとに、同盟という形をとってはみたものの、
たびたびの細かい内政干渉にエドガーはうんざりしていた。

今回は、フィガロの兵士の年金の件である。

規定年数を兵士として送ったあとは、2月に1回25万ギルを支給する。それが、多すぎるというのだ。

 

「月に12.5万ギル・・・医療費も含めてだ。退職した後くらいはそこそこの暮らしをおくらせてやりたい思うのだが」

謁見の間には円卓がおかれ、帝国の使者と経済管理官、彼らの護衛が来ている。

 

「フン、そっち側に分類するのはおまえたちの勝手だがね。帝国に通達もなく勝手に軍事費を増強されても困るよ。」

使者の名はケフカ。

道化師のように顔を白く塗り、鮮やかなフェイスペイントを施している。

両耳は宝石が輝き、頭には羽根をつけ、原色のマントをまとい、極彩色の衣装を身に着けている。

初めて見たときは、カーニバルか仮装舞踏会の会場から直できたのかと思った。

指輪を直列ではめている。彼が動くたびに、鈴の音や、装身具同士の触れあう音がした。

帝国にはよほど人材がいないのか・・・・。

という印象とはうらはらに、締めるところは遠慮なくしめてくる。油断のならない相手であった。

 

「お言葉ですが、ケフカ様。30年間も働いた後の兵士の年金など、軍事費とはいえないのではありませんか?」

フィガロの大臣が反論する。

「福祉予算として分類するのが正しいあり方と思いますが」

「ちっちっち。」ケフカは人差し指を立て大臣を制した。

「帝国では、軍関係の予算は軍事費ってことになっている。軍はある程度、独立して採算をとっている。予算も、年金もその中で行なっているよ。」

「フィガロの軍は規模が小さく、採算は取れていません。帝国の規模と同列に論ずるのはいかがなものでしょう」

大臣はさらに食い下がる。

ケフカは底意地の悪そうな目を輝かせて大臣にこう述べた。

「採算が取れないのは、帝国への協力体制が低いからだ!自国の政策の無能をこちらのせいにするな――ッ!」

毎度の事ながら、意味不明にテンションが高い。・・・やりにくい相手だ。

 

エドガーが発言した。

「わが軍は帝国のように、他国を侵攻していないのだ。採算など取れぬ。」

「エドガー国王、退役した兵士にはいい年金が出る・・・。民意を操作して、兵力の増強を図るのは姑息な手段だなー。
ヒッヒッヒッ」

言葉づかいや態度からは、鉄格子のはまった狭い部屋がお似合いとしか思えないのだが、それなりに痛いところを突いてくる。

 

「ふ・・・。あなたから民意などという言葉を聞くとは思ってもいませんでしたが。」

「つまらん!嫌味をききに、砂漠の真中まできたわけではない!」

ケフカは突然立ち上がった。円卓をひっくり返すほどの勢いで。

「感謝しろ。検討する時間はさしあげましょう。明日、同時刻ふたたびこの場にて続きを。」

と、ケフカは席を立った。原色のマントを翻し、謁見の間から立ち去った。

いつもの耳障りな高笑いを残して。

 

一行を見送らずにエドガーは、大臣たちと会議の続きを始めた。

すこしして秘書官が、あわてて飛び込んできた。

「大変です!エドガー様!」

「なんだ?」

「砂嵐です!」

「砂嵐はいつもの事じゃないか・・・」不機嫌である。

「ケフカ様が・・・・・」

「何!」

 

「乗り物がこわれちゃったよ・・・・。いまいましい砂のせいだ。こんな城には一分一秒もいたくないが、泊めろ」

砂まみれのケフカがそこに立っていた。護衛の若い兵士1人と共に。

「・・・・・帝国の技術の限界をみたな(笑)」と、小さな声でエドガーはつぶやいた。

「どうぞ、ご自由に。今、案内をつけましょう。ケフカ様」

・・・・・毒殺するなら今かもな・・・。不穏な考えがエドガーの頭をよぎる。

しかし、ケフカ一人が消えたとしても、現在のフィガロと帝国の関係がこれ以上良くなるとは思えない。

これを機会に個人的にケフカと話し合うよいチャンスに恵まれたと考えた方が前向きである。

・・・・・あまり話し合いたくないが・・・な。

話が通じる相手とは思えないのだが、それでもやらなければならないのだ。国民を守るためには。

 

「フン、礼はいわないよ。」

「どういたしまして。」

「風呂はどこだ風呂はー。クチのなかまでで砂まみれだ。ぺっぺっ。
こんなところに暮らしている奴の気が知れないね。」

ケフカの暴言に、まだ十代とおぼしき若い兵士は困った様子である。

「ごあんないしてさしあげろ・・・・・」

深いため息と共にエドガーは秘書官に命じた。

 

大臣たちとの会議の結果は、福祉予算で押す。

と、エドガーが主張し、それで通らなければ、帝国の新たな要求が来るだろうから、そちらを対応したほうがいいだろう、ということになった。

つまりは、難題を先送りにしたわけだが、次から次へと帝国が干渉してくるので、できることをできる範囲で行なう誠意の示し方のほうがよかろうというわけだ。

1つ飲むと、さらに過大な要求をつきつけてくるのが最近の帝国のやり方である。

 

会議が終った頃は、夜も深くなっていた。

エドガーは秘書官をよんだ。

「ケフカはどうしている?」

「ご入浴された後、貴賓室にて御休みになっております。お部屋からは一歩も出ておられません。」

「兵士は?怪しい動きはしていないか?」

「ケフカ様とは別の部屋で休んでおられます。若いですが話のわかる良い方ですよ。」

「目を離すな」結構かわいらしかったな。よし。

「はい。ケフカ様は早めにご夕食をご希望されまして、もう済まされておりますが」

「兵士もだな。」

「はい。」

「・・・・会食・・・できなくなったな。ま、いい。持ち場にもどれ、くれぐれも落ち度のないようにしろ。後で何を言ってくるかわからないからな。」

「はい、かしこまりました。」

 

エドガーは考えた・・・・。スパイを作ろうとは思わないが・・・もうすこし、帝国やケフカについての情報が必要だ。

どんなつまらないことでも、自国の人間しか知りえない情報がある。別に、軍事機密や政治情報でなくても良い。

たとえば、蛾が大発生したとか(笑)。

そんなものでも殺虫剤や、芋虫が食い荒らして足りなくなった作物を帝国に輸出している国にとっては「聞いていたほうが得」な事が沢山ある。

 

とりあえず、若い兵士に色々と話を聞いてみよう。

・・・こっそりと。

エドガーはこれを「ヨ号作戦1」とよんでいた。

弟のマッシュが聞いたら泣くような作戦であるが、失敗率が低く、その後のフォローさえきちんとしていれば、1回の実行でも長期間に渡りその効果は続くのだ・・・・。

 

 

 

2「ヨ号作戦1」

 

エドガーは、ケフカの性癖について以前から疑問に思っていた。

その権力を、彼の交渉相手の小国にむければ、金も女も思いのままのはずである。

多くの帝国官僚とは違い、彼にはその手の話は一つもなかった。女には興味がなく、わいろすら受け取らない。

コップの水がぬるいだの、こんな小汚いところにいられるかだの異常に文句は多いのだが。

 

信じられないが、帝国では彼は「いっちゃってるけど、クリーンな実力者」という、イメージなのだ。

帝国内の建設業者が、彼に天文学的な巨額の賄賂を贈り、入札での優遇をはかってもらおうとした事がある。

「この僕チンがお金なんかで動くと思っているのですかー」の、一言でその業者はケフカの魔法「ファイガ27連発」によって社屋ごと灰と化した・・・・と、帝スポ(ガストラ帝国スポーツ新聞)の記事で読んだ事がある。

まあ、帝スポの記事だから8割くらいは差し引いて考えても、そのときは新聞の紙面の半分くらいはケフカの特集記事で「きびしいのは国外に対してだけではない!」とか「人格以外はナンバーワン!」といった小見出しがならんでいた。

ちなみに何のナンバーワンかというと、10代20代の独身女性へのアンケートで「絶対結婚したくない帝国閣僚」

・・・であった。理由は「ホモ疑惑」「生身の女より人形を抱いて寝ていそう」「できないんじゃないの」といった、散々なものであった。

 

彼が女を連れて歩いているのは、見たことも聞いた事もない。

そう、そして彼の付き添いがまだあどけない美少年の兵士。

・・・これはもうまちがいない。

将を射んとすれば、まず馬を射よ。「ヨ号作戦1」とは外堀から埋めていく有効な作戦なのである。

 

シャワーを浴び、髪にコロンをふりいろいろ小道具をポケットに隠し、エドガーはケフカと同行してきた兵士の部屋へとむかった。

見張りにすこし下がっているように指示した後、ノックする。・・・中から鍵はかかっていなかった。

すばやく入りドアを閉める。

空調はきいていて、ひんやりとしている。砂嵐のため、窓は閉じられている。壁の足元近くの非常灯が眠る兵士の輪郭のみを、かろうじて浮き上がらせていた。

 

速攻で、エドガーは兵士のベッドに侵入した。これぞ趣味と実益・・・。いや、今回は切羽詰っているから念入りに・・・。

 

エドガーは、眠っている兵士を背後から抱きしめた。彼の項に唇を滑らせる。

兵士は身に何一つまとってはいなかった。エドガーの手は夜具を掻き分け、薄い胸を下りまだ未成熟であろう蕾のほうへと執拗な愛撫を開始した。

なんのことはない「ヨ号作戦1」とは、「夜這いGOGOとりあえず行ってもらおう作戦1回目」の略なのであった。

 

眠っていた兵士の息が荒くなる。エドガーは手を休めずに彼を刺激しつづけていた。

「・・・・・!」兵士の手が、急にエドガーの手首をつかんだ。

「すまない・・・初めて君をみたときから・・・・君のことで胸がいっぱいで・・・・抑えきれない・・・・」

「・・・・」兵士は無言だ。

「君が好きだ・・・・許されない事かもしれないが・・・・愛している」

「・・・・・・・」

「もし、嫌ならこの手を振り払ってくれ・・・私は帰るから」

兵士の華奢な体格が、嫌がってもむりやり・・という初期の作戦方針を変更させた。

エドガーの手首に食い込む彼の指があまりに細かったのだ。

 

「・・・・・・」兵士は少しためらったのち、そっとエドガーの手を離した。

エドガーの方へ向き直り、指先でエドガーの頬をなぞる。

暗すぎてそこに人がいるということしかわからない。

エドガーはゆっくりと体勢を変えた。兵士も肢を開いた。

エドガーは彼の身体をゆっくりと味わった。

「・・・・・っ!」絶頂に向かいつつあるときも彼は静かだった。

「声をだしても・・・かまわないんだよ・・・誰にもきこえないから・・・・」

「・・・・ん・・・・・・っ!」兵士は自らの手でエドガーを導いた。・・・・なれている。

必死で声を殺している様子が、かわいらしい。

 

やっぱりケフカってそうだったのか・・・・。と、思う反面、若くしてケフカの愛人として仕込まれているこの兵士が気の毒に思う。

おそらく、彼には選択の道はなかったであろう。

兵士の中は熱かった。気持ちがいい。途中からは自分よりエドガーが良くなるように動いてくれる。

エドガーが果てた後も、彼にやさしく触れつづけていた。

 

作戦・・・失敗だな。私が骨抜きにされそうだ。やはり、帝国の高官の愛人となると格がちがうのだな。

「・・・君と少し話がしたいんだが・・・・いいかい?」兵士の胸に頭をのせつつ、エドガーは言った。

 

 

 

3 鬼火

 

パキッ、とどこかで指を鳴らす音がした。突如、青い炎が部屋の天井近くの空間に出現した。

ブルーの光が兵士の顔を浮かび上がらせる。

細い顎、細い鼻筋、左右整った端正な顔立ちである。神経質そうな細い眉は、ゆるい弧を描いている。

唇は薄く、目は異常な輝きを帯びている。しかし、思わず息を呑むほど美しい。

・・・・・あれ、この瞳はみた覚えのあるような・・・・ないような。

「・・・・どんな話だ」聞き覚えのある、金属的な声が響いた。

・・・・・・・・・・・・・・・しまった!

 

事態の把握にエドガーは数分を要した。

馬を射ようとして、将を射ってしまった・・・・。

その上、ケフカの素顔が思わずぐらぐらしてしまうくらい、美しかった事がショックだったのだ。

 

・・・・化粧って、きれいになるためにするのだろう。もともとの美形な素顔を隠すための厚化粧なんて反則だ!

と、思っても後の祭り。

 

その素顔にただ見入っているエドガ―に

「一発やったあとの、男の顔ってのはマヌケですね」とケフカは言い放つ。

エドガーは返す言葉もない。・・・・抱いてしまった、ケフカを・・・・・。

 

「な・・・なぜ?」

「なにが、どう、何故だ?」

「・・・・厚化粧・・・・・」

「素顔でいると、おまえのような輩が次から次へとやってきて安眠できませんから。」

「・・・にしても、ひどすぎる。だましすぎだ!」

「小さくても、一国の王に、組織の中で働く人間の苦労など理解できるとは思いませんね。」

ケフカは小さく笑った。昼間の高笑いとは違う。

 

「しかし、まさか、エドガー国王が来るとは思いませんでしたね。」

「よく・・・城ごと私を吹き飛ばさなかったな」

「たまに人肌が恋しくなるときもあるのですよ。」

と、ケフカはエドガーを抱き寄せた。

「な・・・なんか・・・ケフカ。思ったよりまともなんだな・・・・・というか・・・やさしいんだな・・・夜は・・・」

「鞭で打ったりしそうに見えたましたか?」

「・・・ああ・・」と、思わずうなずいて取り消す。「いや、・・・昼間とは違う・・・なんか別人だ」

 

「ああ?あれか?いいでしょう。帝国の破壊と狂気の象徴。顔を塗るようになってから交渉の成功率がいいのですよ。ま、なりきってると多少歯止めはききませんがね。」

「あの、迷惑で珍妙なキャラクターは自己催眠でもかけているのか?」

「その辺は企業秘密ですよ。」

 

ケフカは話し出した。

「・・・・私のやり方が、一番死人の数が少なくてすむ。全面戦争になると、双方被害が甚大で・・・・経済的な効果はあるにはあるが、回収サイクルが長くなってしまいますしね。おまけにアホな国の復興まで面倒を見なくちゃなんない。」

「その国の王を暗殺したりするのが?」

こいつが、本当に父を暗殺したのか!?この男が・・・

エドガーは混乱しきっていた。

「判断力の低いトップじゃ、戦争に行かされる連中がかわいそうだよ。」

「・・・・・・・・・・」

「それに、手を汚すのは私一人で沢山です。」

信じられない・・・・ケフカと会話が成立している。しかも、まともだ。

ケフカはエドガーの髪を指ですいている。

 

「血筋だの身分だのに拘って、能力のある人間に、その能力を発揮させる場を与えない・・・・多かれ少なかれ、小国家の仕組みなんてそんな程度だよ。たまに例外もあるけどね。・・・・・熱くなりがちだが、優れた国王が治める国もある。」

「それは・・・お世辞かい?無理に誉めなくてもいいよ」

 

そうか・・、ガストラ皇帝の特使として、あちこちの国へ行き経験を積んでいるのだ。・・・あれでも。

誰も、ケフカがその国を綿密に研究し分析を行なっているなど・・・・あのキャラクターをみたら絶対考えられない。

しかし、・・・この素顔。この、普通な語り・・・。

ここだけを切り取ってみると、前途有望な青年官僚(笑)にしか・・・見えない。

ただ、このことは・・・・・きっと誰に言っても信じてもらえない。

 

「情に訴えるのは、小国同士での交渉ならありうるが・・・・圧倒的な勢力差のある帝国とではありえない。

・・・・・・・・・そう思ったでしょう?エドガー国王」

「・・・・・・今日は特に思ったね。」

「実はそうでもないのですよ。ガストラ皇帝の方針は変らなくても、人間が関わっている限りなんとでもなる部分はあるのです。」

「・・・・・・・」

 

「今日きた経済管理官は心情的には君らの味方ですよ。ま、彼がどう動こうと僕には関係ないけどね。」

「ケフカ。」

「なんだ?まだやり足りないのですか」

ケフカの両足を抱えてひきよせる。

「ガストラのやろうとしている事に、疑問を感じた事はないのか?」

「正しいとは思いませんね。」

「その・・・・、なんだ。帝国がいやなら・・・フィガロに来てもいいんだよ。」

エドガーの混乱状態は深い。

つい口説きモードに入ってしまう。

「素顔も出せない生活って、つらくないかい?」

昼間は狂気を宿していた瞳が、困惑の色に曇る。

青い鬼火が掻き消え、部屋は元の闇に戻る。

砂嵐の音が、城の厚い壁を通じてかすかに響いている。

 

「あなたはいい人だ。エドガー。しかし、帝国には私一人だけを愛してくれるものがいる。

・・・それだけでいい。愛がなければこの世界に生きる意味などないのだ。」

「それは・・・もしや・・・ガストラ皇帝?」

「国家機密なので教えられないな。」

「がんばったら教えてくれる?」

「さあね・・・」

それからしばらくいろいろとがんばってみたのだが、結局ケフカは答えを教えてはくれなかった。

 

夜明けが近くなり、自室へ戻る前にエドガーは、「ヨ号作戦1」の遂行にあたっての致命的な誤算原因についてケフカに訊いてみた。

「兵士とはどうやって入れ替わっていたのだ?」

「帝国一の魔導師はね、こんな壁なんか通り抜けられるのですよ。寝込みに爆薬でも仕掛けられたら嫌ですからね・・・・。」

「あああ・・・・」

 

城内の機密書類とか・・・大丈夫なのか・・・・・。

 

翌日、帝国の一行がケフカを捜しに戻ってきた。

 

ケフカは、顔を白く厚ぬりし、奇怪なフェイスペイントを施した、いつものケフカに戻っていた。

土下座して許しを乞う経済管理官に向かって、

「うっきゅー!!!バカ、カス、能無し、役立たず!お前ら全員徒歩で帰れ!」

と、罵倒したおし自分以外のスカイアーマーを魔法でぶちこわしとっとと去っていった。

呆然とする一同を残して。

 

大臣がおそるおそる経済管理官に尋ねた。

「あの・・・国家予算の監査の会議の件は・・・・」

「いえ・・・。それはいいことにしておきますから。・・・・修理、てつだっていただけますかあああっ(泣)」

 

そんなことでチャラにしていいのかい?という気もしたけれど・・・。

帝国の前にあっては、フィガロなど木の葉の1枚でしかないのか・・・・。

エドガーの目の前で、帝国とフィガロの人間が協力し合ってスカイアーマーの修理を行なっている。

 

「愛してくれる人がいるなら破壊の道化となってもかまわないのさ」だって?ケフカ。

わざとやっているなら、それはそれでひどい奴だな。

ほんとうに狂っているよりも、ずーっと性質が悪くないかい?

砂混じりの風が、エドガーのため息をさらっていった。

 

 

しかし、愛を見失ったケフカは、実にあっさりと世界を焼き尽くす選択をおこなうのであった。

それはまだ先の話である。

 

おわり。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

***あとがき***

 

うわー。ケフカ様正気説(笑)。しかもエド×ケフ。

ケフカちゃんは、いっちゃってるんじゃなくて、わざとやっているのよ!と、いいつつ25年。(うそ)

未だ、自分の周りには誰も賛成者がいない。

ほんとは美形説はPS版のおかげで普及(布教)しましたが・・・。

前期試験のプレッシャーで、ここまでかけます。

 
↑大変だったな。ZAZA。