映画の感想 ボブ・クレインー快楽を知ったTVスター



映像・音声特典がやたらとついています。
監督の解説と、キャストによる音声解説(グレッグ・ギニアとデュフォー)はまだ良いですが、
脚本とプロデューサーの解説まで、さらにボブ・クレイン殺人事件のドキュメンタリーまで
って付録つけすぎ(笑)。一応全部見たけど。


この話もねぇ・・・。


グレッグ演じるボブ・クレインの軽妙なキャラクターに救われて、見やすくはなっている
けれど、本質的には「アフリクションー白い刻印」とあまり変わらないですから暗いというか
・・・深くて痛い話ですよね。
音楽は軽快で良いんですけどねぇ・・・・。

依存症系の話ということを頭に入れて見ないと「なんや?この話。どーいうこっちゃ?」と
見た後の不条理度がアップしてムカつく事確実です。多分ね。

・・・なんというか、依存症が一つあると、それに引きずられて社会的な死とか
家庭内にも波風たっちゃうみたいな・・・、気がついて治そうと努力しないと人格も
何かズレてきちゃうみたいな・・・なんか、そういうパターンみたいのが出ているような、
描ききっていないような(苦笑)。きっと、それだけがテーマではないんだろうけれど・・。

うーん・・・。いろいろありすぎて90分ぐらいじゃ無理なんだろうなぁ。
ただの伝記みたいな感じにもできないし・・・。
監督と出演者の音声解説を聞いて何だか納得するような出来ですね。


前半の60年代風のポップなイメージに乗せていかに客をだますか!?客が中座しないで
最後まで見てくれるようにしつつ、それも映画の中の演出の一つみたいな・・・。
がんばっている感じはします。
しかし、家族と見るにも友達と見るにも楽しくはないかも。


デュフォー演じるジョン・カーペンター・・・怪しいです。
そして、この役でもまたデュフォーがリストラされています。
スピード2といい、二重誘拐といい、解雇される役が多いなぁ。
隠れたリストラキングでしょうか(笑)

こう、なんか弾け系より、屈折系というか卑屈系の役が似合うと思いました。

前半はひたすらニコニコしています。
・・・この笑顔が(にやにや)素敵なんです。
見ると幸せになる笑顔です。

・・・もしかすると、ソフトコアの女優に囲まれて
ニコニコしているだけなのかもしれません。(疑惑)

ああ、しかし、素敵な笑顔にもかかわらず、どこか怪しい感じがするのです。
ただの明るいスケベ中年には見えません。

見所は彼の手でしょう。きれいです。(おい!)


他は、ビデオテープも昔はオープンリールだったんだとか、
おねぇさんがたのショータイムですかねぇ・・・。これは結構イイと思う。

好きなシーンは「ライティングはOK!」とかなんとかいいながら
カメラ抱えて妄想シーンに突っ込んでくる所です。

ただ、人に勧めたいかと問われると・・・微妙。
レンタルビデオ屋さんで、あと一本借りると5本パックでお得になるの、って時の一本なら可?
って感じでしょうかねぇ。


PS
こういう実在人物系の話で面白くてまとまっていたのは
「ダリ」の映画が一番だったなぁ。いまのところZAZAの中であれを越えてる
伝記系の映画ってないんだよなぁ・・・ぶつぶつ。


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