映画の感想   二重誘拐



ウィレム・デュフォーの顔は、ヒゲをつけるとタダの二枚目のおっさんから
レベルアップして、カルトな感じのおっさん、サイコな感じのおっさんに
変身する…と思っていた。いるだけで怪しさが炸裂すると。

しかし、今回「地味なおっさん」という新しいクラスを見つけたような
気がしました。

前半は付け髭なんですが、これがまた似合ってない感じで、誘拐の達人には
見えません。髭をはがしてくれたときは心底ほっとしました。



デュフォーの役名はアーノルド、こいつがお金持ちのウエインを誘拐して
金をもらう話なのですが…、どこが二重誘拐なのか、どんなタイトルの
つけかたしとるんじゃぁ!ケンカ売ってんのか?


山道を歩いている時なんか、熊が出てきてアーノルドを・・・とか、
もう一人誰か誘拐されるのかと思ってどきどきしちゃったじゃないか(苦笑)。
ここで原題を見てみると「あぁ、なるほど・・・」ということになるんですけれど。
映画を見るときは邦題だけみていちゃイカンと、教訓になりました。


それにしても、アーノルドは優しいです。

ウエインに靴を履かせてあげて、お昼のサンドイッチもわけてあげて、
ウエインに怪我をさせてしまったら、絆創膏セットをわたしてあげます。
ウエインが家族に手紙を書きたいといったら、書かせて上げます。
その上、家では奥さんがタバコを吸うのをガマンして、奥さんのパパが夜TVを
ガンガンつけていても文句を言いません。・・・ゴミも出してくれますし。

あぁー優しすぎ。
ウエインにも妙に優しいのは・・・実は伏線なんだろうけど・・。

優しい人が不平不満を溜めてしまうと、思いもよらない行動をとってしまうんでしょうか?
誘拐は賛同できないけど、アーノルドが不憫です。

特典映像の未公開シーンは、見ておかないとアーノルドの人物像が
見ている人には良く伝わらないと思います。


アーノルド現在の仕事の場所は最後の方にちらっと出てくる。
時給の安そうな公園の管理人なんだけど最初見たときは、わからなかった。
とりあえず、ひまそうには見えた(苦笑)。
未公開シーンの音声解説を聞くと、
そこ長いから切ったとか何とか言っているが、あったほうが良かったですね。


まぁ、主人公はウエインなんだけど。

しかしなぁ、アーノルドおじさん…。悪ガキにそんなことしたのか?
これが本編にあったら、おちゃめな余裕すらも生活苦で擦り切れた感じが
出て良かったろうになぁ。

ロバート・レッドフォード、またはウィレム・デュフォーが見たいって
人にはお勧めだけど、普通に見ると「何だよそりゃぁ」、タイトルに期待
して見ると「えー何がおころうとしているの?あ!?終り?ちょっと待て」
と言う感じになりそうなので、勧められません。

萌えどころは、TVの音がうるさい中ベッドにはいっているアーノルドかな・・・。
・・・生活に疲れています・・・。しかし、これがまた似合う・・・。

スーパーで高額紙幣使っているあたりになると、ちょっとかわいそうでなぁ・・・。
とほほ・・・。
リストラって恨まれますねぇ。


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