映画の感想
2005年05月28日(土) crawl space
某ぴけっと様の即売コーナーで「クロール・スペース」を800円で入手
(しかも、おまけつき!)して欣喜雀躍のZAZAでございます。
ありがとうぴけっと様!ありがとうキンスキー!(笑)
「クロールスペース」エンパイアピクチャーズ1985年
監督デビッド・シュモラー
キャスト クラウス・キンスキー タリア・バルサム 他
ビデオパッケージの説明文
「美女ばかりをテナントとするアパートの大家、カール・ダンサー。
彼の秘密は、間借り人たちをこっそりのぞくこと。そこに血しぶきの
グラン・ギニョールが起きる・・・・・!! 怪優クラウス・キンスキー
がその個性のべてをみせる超迫力ショッカー。脚本・監督のデビッド・
シュモラーはサディズムとエロチシズムいっぱいに映像化してみせる。
甘美な音楽は『殺しのドレス』などでおなじみ、ピノ・ドナジオ。
これはエンパイア・ピクチャーズが一級のスタッフ・キャストで勝負を
かけた野心作である。」
というお話なんですわ。殺人大家役はもちろん、クラウス・キンスキー
(笑)。パッケージの文章が、微妙に誤植で、映画の中では大家は
ガンサーだったなー。エンディング・ロールで綴りを確認してないけど、
字幕はガンサー。今、確認したらやっぱりガンサー(笑)
”個性のべて”じゃなく、おそらく全てなのだと思うのだが・・・。
製作元のエンパイアでは気合が入っていても、発売元の
ポニーはゆるゆるだったんでしょうね、などとどうでもいい事を想像させ
るパッケージでした。
ビデオの中で一番怖いと思ったのは、アイライン引いて、真っ赤な口紅を
塗ったキンスキーの顔です。殺人よりも、室内にある妙な仕掛けより、
顔が一番怖かった。まさに顔面凶器です。
その怖い顔が、ビデオのパッケージの正面なんですが、・・・どうも
なんかいまひとつぱっとしません。どうみても裏の写真の方がイイという
感じがします。・・・もうちょっと、かっこよく作ってくれと思いました。
(以下ネタバレ含みます)
エロチシズムいっぱいと書かれてはいますが、別にキンスキーは服脱ぎませ
んし、そのようなことはいたしておりません。脱いでいるのは女です。
(どうでもいいですね、こりゃ↑;苦笑)
キンスキー演じる大家のガンサーのキャラクターは、
”一見ジェントルで寂しいおっさん、
けど、普段の趣味は美人の間借り人の生活を換気口の中から覗いたり、
殺人ギミックの制作と、女を飼う事。最近では、ナチスの拷問器具製作者
だった父の日記の影響で殺人が快楽になりつつあってどうしよう・・”
みたいな感じです。
で、”一人殺すたびに、自分の名前を彫った弾丸を拳銃にいれて
ロシアン・ルーレット”を行っています。このロシアン・ルーレットが
なかなか当たらないので(苦笑)どんどん死体が増えていっちゃうんです。
困ったものです。
ストーリーはそんな怪しくて濃ーい大家が、間借りしている美女たちや、
その交際相手などを殺してゆきます。舌を切られ監禁されている姉ちゃんと、
最後に残った姉ちゃんは、大家の魔の手から脱出できるのか!?
どきどきしながら見る作品です。
つまり美女VS殺人鬼のお話なんですが、大家のキャラ設定がいいのかな?
最後まで見られますね。
20年ほど前の作品なので、”ノリのいい音楽にスピーディな展開で印象的な
シーンがばしばし入って、びゅんびゅん進んでいって、ジェットコースターに
乗っているような勢いで衝撃のラストへ!”みたいな感じではないんです。
ごくごく、普通のテンポなんです。
それでも、古さを感じさせる事なく見ることができます。
やっぱり、クラウス・キンスキーのおかげでしょうね。(絶賛)
実はとってもヤバイんだけど、一見普通の上品そうな大家だったり、
いや、でも本当にヤバイ感じだったり、だんだんそれがエスカレートして
いったり、ちょっと自分を振り返ったり、最後はほぼ暴走状態になったり・・・と、
最後まで目が離せません。
ギャラで仕事を選ばなければ、キンスキーは普通の大家の役でも好演
できるよなっ、と思ったり・・・・しました。いよっ!この芸達者!!
ガンサーが手下がわりにネズミ使っている所がかわいいかもなぁ(苦笑)。
覗き生活にメリハリをつけるためなのか、店子の壁からネズミが出動する
仕掛けを作ったりしていますから。この仕掛けが電動っぽいんですけど、
赤いライトの穴から出てくるところは「ラット出動!」という感じでイイです。
ここでのポイントは美人はネズミが嫌いという設定でしょうか・・・。
出てきたネズミをぐいっと実験掴みなどすることなく、悲鳴をあげて逃げる。
・・・ま、普通そうか・・・。私なら捕獲を狙いますが。(多分、逃げられるでしょうねぇ)
よーく見ると、大抵のネズミって顔かわいいんだけどなー。
そうそう、狭い通風孔(クロールスペース)に女が逃げ込んだ時、
ガンサーはネズミ(ラット)をそこに放しましたけど、・・・よく考えると猟犬みたいに
追いかけるとか、噛み付くとか・・・そんなことができる生き物じゃないですよね、
ネズミは。
”食べるもの無いかな〜”うろうろ”暗くて狭いとこいきたいな〜”うろうろ。
てな感じで破壊力も攻撃力も無いですねぇ。
どっちかというと精神攻撃系なのでしょうか(苦笑)。
キンスキー萌えポイントは
ごはんあげてるところと、写真見て泣いている所かなー。
衣装も、ふつーのおっさんだし、そんな悪くはないですね。
埋もれたダンディ様でしょうかねぇ。
あえてアラを突付くなら、大家のガンサーが犠牲者の目玉をガラス容器に
入れるシーンで、目玉が沈むと”ちんかちん”と音がする・・・。
ふぬぅ〜っ、その目玉〜ガラスのドールアイか義眼をベースして神経つけましたね〜。
一応生ものという設定なんだから、沈む音は消しておくれよ〜。(苦笑)
なんでも、この殺人大家の話はモデルとなった事件が一つか二つ位
あったそうです。嫌ですね〜、こんな大家がほんとにいたなんて。
追記
殺人変態凶悪大家じゃなくっても、普通の大家の役でもでもいけるよなー(笑)、
クラウス・キンスキー。
キンスキー主演でふつーの恋愛物ってのが見てみたかったなぁ(苦笑)。
惜しいです。これなら近所のフツーのおっさん役でもいけるよなぁ(笑)
ギャラが安くて本人的には嫌かもしれませんけど・・・。
(今、脳裏をそんな役はできないかも説というのがちらッと掠めましたが:涙)
同じ台本でも彼がやったら変なキャラと化してしまうかもしれませんけどね。
ははは。
ビデオを入手して一週間・・・。
どうしてもわからないシーンがあった。
ガンサーが覗きをやっている最中、監禁している女の悲鳴が上がって、
ガンサーが秘密のお部屋に戻ると、檻の中の女は泣いていて机の上には
白い棒切れがある。棒切れをつまんだガンサーは「かわいそうに」と
それをまた机の上に置くのだ。
毎晩のように見ていたのだけどわからなかった。
あの棒は何だ?なぜ女が泣く?どこが「かわいそう」だったのだ?
Why?Why?Why?・・・
10日を過ぎてから気がついた。
あの白い棒・・・バナナをスパッと切ったギミックの前に在ったよな?
はっ!?あれは、毛のついたような白い棒じゃなくて
・・・ガンサーのふわっとした白い飼い猫の尻尾だったんだ!!
だから、「かわいそうに」だったわけだ。
たしかに、あのあとから飼い猫が登場しなくなりましたものね。
おおお・・・しばらくわからなかったよ。アホですまん。
猫本体の死体があったらすぐにわかったかもしれないんだけど・・。
あれが尻尾だと気がつかなかったんだよ。ごめんな。はは。
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