映画の感想  フィッツカラルド  1982年 ヴェルナー・ヘルツォーク監督 
                           主演 クラウス・キンスキー




なんでも映画の公開当時の宣伝文句は「羽ばたけ男 身にあまる夢を持て」だったらしいです。
キンスキーが人間らしい、好感の持てる男を演じています。
画面でも妖怪じゃなくて、ちゃんと人間に見えますし、実は彼は笑うとイイ!のであります。

まぁ、船が山を越えるシーンが長いとか、映画全体の時間が長いだろぅとか
いろいろあるでしょうけれど、これはおすすめですね。
クラウディア・カルディナーレと一緒にいるキンスキーの感じが良いですね。
キンスキーが爽やかで夢多きいいおっちゃんに見えます。
好感度高いです(笑)。ちょっと強引でもすてき。ラブリー。

コック役のウエレケケもいい味だしていますし、船長は誰が見ても船長さんにしか
見えないのがすごいです。(しかも、本職も船長だってさ:爆笑)


人力で船(300t)クラスが山を越えられるんだという、ドキュメンタリーにもなっている
ところが恐ろしいです。よくこんなことをやろうとしたものです。
今の時代ならCGを使うでしょうねぇ。
ありえねぇっていうか・・・。今なら絶対CGですよね。

歴史上、人がこんなでかい船を引っ張って山越えたことってそう無い事だと思います。
少なくとも私は聞いた事ないぞお・・・・。
いろんな意味で貴重な映像なんじゃないでしょうか(笑)。
正直、これ撮影している間は、監督は狂人よばわりされてたでしょうねぇ。
いやいやほんとにもう・・・・。

特に好きなシーンは船が先住民族の皆さんの力を借りて動き始めた時に
飛び上がって喜ぶキンスキーとウエレケケ。
何回見てもかわいいです。


とにかく、爽やかでほのぼのな感じがいたします。
うんうん、いいよ、それで。
なんというか、若い頃に見て、また年を重ねてからも見たい話ですね。
うーん、エクセレント。



追記


DVDを見た場合は、コメンタリーもぜひ聞いてください。
なんと言うか、どえりゃー手間がかかった撮影だったようです。

・・・で、これをみてから「キンスキー我が最愛の敵」を見ると、
このすっばらしいフィッツカラルドを演じたクラウス・キンスキーって
「そんな人だったのかよ!?」とガックリします。ていうか、すごすぎー。(苦笑)

で、これをみてから「kinski uncut」を読むと、この爽やかで愛すべき
フィッツカラルドを演じたキンスキーを「エロおやじ」としか呼べなくなります。(爆笑)
あああ、もう台無しじゃん。自分はもてもてって言っていますが、
(早い話がH自慢)その顔でよくそんな事いえるよなぁ!?と、突っ込みたくなります。

でも、この映画のラストでのキンスキーのめったにない全開の笑顔を見ると、
「案外もてもてなのか?」と思い直しますね。
他の映画での怖い顔(特にアギーレなんか)とはまた別次元の顔ですから。

コメンタリーで監督が言っています。「安全は考慮している」。
けど、ものすごく突っ込みたくなると思います・・・・。

でも、激流の川ってこんなに破壊力満点で恐ろしいものだとは知りませんでした。
まちがっても行く事は無いと思うけれど、アマゾンで川下りだけはやめておこうと思います。
(とかこんな事を書くとアマゾンで川くだりするハメになったりして・・・)



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