映画の感想 上海異人娼婦館



うーん・・・。こりゃあ・・・失敗作!?。

これは・・・、ソフト・ポルノっていうか、ジャンル的にはエロチックとか書いてあったけど、
あんまりエッチじゃないよなぁ。パッケージには上海ー香港で花開く、倒錯した性の極致などと書いてある。
セックスシーンもあることはあるし、そこそこSMなシーンもあるけれど、そういう映画だと思ってみると
「抜けない」(苦笑)と苦情殺到な感じがいたします。


映画全体で気になったところから。


むぅぅ・・・。”O”が放り込まれた娼館が、とんでもないところだというのは冒頭でわかった。
でも、それほど”O”はヒドイ目にはあっていないように見えますね。
どうせなら、もっと”O”とステファンの関係を沢山映してくれた方が良かったな。
「春桃楼」の他の娼婦のエピソードは特にいらなかった。

あと、上海なのに脇役の革命な人々は日本人ばっかり!?
監督が日本人だからか、どうせ海外で上映しても、日本語と中国語の違いなんて誰も
気にしないからいいのか(苦笑)。
いやー王学、おもいっきり日本人で日本語だぁ!?、
日本で上映する場合字幕がいらないから楽といえば楽なんだろうけど、えー・・・やや疑問だなぁ。


そして、何よりも致命的なところが、クラウス・キンスキーがステファン卿だぁ!!(爆笑)


不要な説明かもしれませんが、この話、原作は「O嬢の物語」。
「上海異人娼館」バージョンの小説も出ているらしい。

それはともかく、O嬢の物語を読んで、ステファン卿役にクラウス・キンスキーを
頭に浮かべる人って少ないんじゃないだろうか・・・。
私はちっとも思いませんでした。変態さん役は彼は確かににあうだろうけど・・・・。

”O”は彼との愛のために苦痛を受けるわけですから、ステファン卿役はせめてもう少し惚れがいのある
二枚目さんにしておけば、キンスキー好き以外の人が納得するんではっ!?と思ったり・・・。
そんなわけで、もう見ながら、出だしから不安がいっぱいでした。

・・・ああ、キンスキーが人型妖怪に見えます。別に特殊メイクをしているわけじゃないのに・・・。
素でこのホラーな感じは・・・(笑)何だろう?いくら優しい声を出したって妖怪だなぁ・・・。
人相の悪さを最大限に強調して撮影しているのだろうか。

横にいるナタリーも、ついでに妖怪みたいに見えます。
ナタリーの人相も”O”に比べると大人っぽいけど、これが美人かどうかは激しく評価の分かれる所?



けれど、イイところもあるんです。


笑わない”O”の気持ちは美しいイメージで語られています。
覗き部屋でのステファン卿を包む緑色のライティングとか、ときどき挿入される
占い売りの女の子とか、芸術的な感じがします。
いかにも昔の上海っぽい色づかいの室内とか・・・。

そして、キンスキーの演技がイイ!。

やたらと激しいHシーンも、”O”を春桃楼に連れてくる所も、ナタリーを紹介する所もなかなか。
やってることは激しいですが、愛の求道者(苦笑)って感じがしました。
何をしていても”O”の事が一番気になるってわかります。

”O”が他の男に体を預けるのが苦痛なのがわかりますぜぇ!さすがだー。
王学にジェラシーってのもわかります、伝わってきますよ。

ああ、とても女が2人もつくような人相には見えませんが、この説得力は
一体何なのでしょう。ついでに腹筋も割れてるし、ファービュラース!(笑)

白蘭姉さんのチャイナ服+ブーツに萌えを発見したし。

音楽はチンタラしていて好きじゃないけど、多分美術がそれを補っています。
部分的にはすごく良いんだけど、全体的にはこれどうよ?って感じで
全然人には勧められません。

”O”の出ているシーンと、王学の出ているシーンと、ステファン卿の出ているシーンだけで、
繋ぎなおして一本の映画にしてほしいと思ったりしました・・・。



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追記


実は、「キンスキー 我が最愛の敵」を見てからこれを見たのです。
室内でキンスキーの頭を鳥が掠めて飛んでいるシーンを見て・・・。
(何しろ、蝶はいいけどハエや蚊はだめ、子猫を抱くはめになって激怒する奴ですから・・・)

そのシーンのあと、「こんな不潔な動物を何匹も部屋に入れやがるとはどういうことだ」とかなんとか
切れて怒鳴りはじめたのだろうか?と思ったりしました。(苦笑)
そう思うと、あの顔はヒステリー直前の忍耐の顔に見えなくもないですねぇ。はは。


今までどんな映画を見ても、「ぼかしとかモザイクとか別にいらねぇよなぁ、見えようが見えまいが
ぜーんぜん気にならない、むしろ画面にそういう不自然なものが突然現れる方が気になる・・・。」
(実は見たいだけ!?)などと思っておりました。

言ってはいけないのかもしれないけれど、ネットじゃ丸出し画像がばしばし出てくるわけですし、
この際ですから、エロ画像もDVDも皆丸出し状態にすることにして、
ご家庭などでのフィルタリングソフトの普及に努めたほうが、いいんじゃないか?とか。

DVDやビデオなんかは年齢制限や確認を厳しくすることにすれば、いいんじゃないの?
普通の本屋にもコンビニにもエロ本なんていっぱいあるわけだし。
エロ画を見るのは日本の伝統文化の一つなんでそう目くじらたてなくっても・・・。

第一、誰にでも一応ついているものなんだし、別にいーやんか。
それに、丸出しって案外とエロ度を損ねるじゃありませんか?
モザイクとかがあるほうがかえって妙にいやらしいぞぅ。
日本人のDNAには印刷媒体のエロ萌え因子が刷り込まれているんじゃぁ!

などなどこっそり思っておりました。


けれど、この映画のぼかしを見てちょっと考えが変わりましたね。

ええ、ぼかしは必要だ!・・・・・・・・ただし、クラウス・キンスキーに限る。


彼は脱いではいけません。あの顔にあの体だと、どうもいやらしくていけない(苦笑)
いやー・・・なんか、濃すぎてついていけないというか。
自分にも正視できないものがあるんだなーっていうか・・・・。
禁ですわ、禁。見せちゃダメの意味がここでやっとわかりました。
他の人だと全然思わないんですけどね。

キンスキーに思い入れがあるからそう感じるんでしょうねぇ。
初めてぼかしに救われた感じがしました(爆笑)。
このショックを、他の人は他の作品で感じるのであろうから、ぼかしって案外必需品なのかな?(笑)


というわけで、ぼかしやモザイクって素晴らしい!これからも、微妙なあたりを隠し続けてくれたまえ!
応援するぞー(笑)

・・・・・・・・変わり身早すぎ?