映画の感想 殺しが静かにやってくる
毎回毎回タイトルと自分の好きな登場人物くらいしか
きちんと書いていないので、今日は他の事も一応調べてみました。
「殺しが静かにやって来る」
(The great sirence)(Il grande silenzio)
監督・脚本 セルジオ・コルブッチ
音楽エンニオ・モリコーネ
伊仏合作 DVDあり 1969年公開 ジャンルは西部劇
主演 ジャン・ルイ=トランティニャン as サイレンス
その次くらい クラウス・キンスキー as ロコ
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ZAZAが好きなのはクラウス・キンスキーなんです。
どこが好きかというと、人相が(苦笑)、悪党ヅラなのに目がでかい。
白目の面積も広い。
何かもう、出ただけで嫌な事件がおきそうなただならぬ
雰囲気があります。演技とか迫力とかは映画によりますが、気迫は感じますね。
あのでこぼこした顔が、いいんです。全然上品な感じには見えません。
DVDの映像特典には「幻のハッピーエンドバージョン」などと書いてあります。
そうです、あんまりハッピーエンドじゃないんです。
西部劇って、悪い奴をいい奴が射殺して「すっきり」するイメージがあったのですが、
この映画を見てそれはZAZAのただの思い込みである事が発覚しました。
ビデオを借りて見たんですが、・・・主人公のトランティニャン、かっこいいです。
ジュード・ロウくらいは行っています。
古い映画なので、やや間延びした感じはするかもしれませんが、でも退屈しません。
・・・このくらいのペースだと,展開が速くて見ているだけで精一杯の映画と違って、
「オマエならこの場合どうする?」とか、いろいろ考えるゆとりがあって・・・それはそれでいいですね。
えー、お話は、悪い賞金稼ぎ集団が暴れている地方に、サイレンスという男がやってきます。
凄く卑怯で強引な賞金稼ぎに夫を殺された未亡人が、復讐を・・・てなお話です。
キンスキーの悪党ぶりが素敵です。
で、クラウス・キンスキーは何の役かというと、「ずる賢くて悪い賞金稼ぎ」の役です。
悪党です。もともと好きですが、ふたたびはまってしまいました。いやもう、何かいいんだよねぇ。
先に銃を抜いた奴を、後に銃を抜いた奴が射殺した場合は、「正当防衛」ってことで、
殺人罪にはとわれないのですが、
キンスキーの演じるロコはいくらサイレンスに挑発されても銃は抜かないんですね。
サイレンスのほうが早撃ちで強いってわかっているから・・・。
普通は悪い奴ってすぐ銃抜いて、いい奴に射殺されちゃうんですよ。
自分の力量を知っていて無茶はしない・・・。標準的な悪役とはちょっと違います。
後半のロコはさらに知能犯で「こいつワルだなぁ」としみじみしちゃいます。
脚本書いた人偉いです。
賞金稼ぎの件も、山賊の件も、町へ来た殺し屋(サイレンス)の件も何とか丸くおさめたいと
努力する保安官に、ロコは牢屋に入れられてしまいます。
牢屋の中から、口攻撃(笑)をするロコが小憎らしくてかわいいです。
保安官もまた熱い男だし、いやいや・・・。
すごくおいしい役だよロコー(萌え)。エクセレントーっ!!
あえてどうでもいい突っ込みをいれるならば、
・・・・・・・・・出だしのほうでロコが人の首に鞭を巻いて
雪原を馬に乗ってずるずる引きずりまわすシーンがあります。
チラッと鞭の中間、鞍の所から鞭に補強用の紐が出ているのが見えました。
・・・そうですよねぇ、普通片手で人間一人、馬に乗ったからって引きずる事はできませんよね。
やっぱり、一回くらいは落馬したんでしょうか、キンスキー(想像)。
映画は終始雪が降っている中でお話が進んでゆきます。
多分、ビデオじゃなければ、すごく綺麗だったでしょう。
ZAZAの思い込みでは、西部劇って何か砂漠だったり暑そうだったり、
丸まった草が風にころころ転がってきたりとか、登場人物もポンチョきてたりとか
(クリント・イーストウッドの夕陽のガンマン?でしょうかね、ポンチョは)、
・・・・そんな風だったんですが、目から鱗です。
街も馬も湖も全部雪に覆われた白い西部劇ですから。
監督はもしかすると、凄い人かもしれないと思いました。
この映画が凄くヒットしたかどうかは、わかりませんが、
こういうのもあるということで、一度は見てみるといいのかもしれません。
ただし、爽快な話ではありません。
クラウス・キンスキーを主役としてよこしまな見方をした人は、
すっきりできると思いますが。(ニヤリ)
・・・単に冬場のピレネー山脈付近で撮影しただけとか、そんなんじゃ
ないよなー?
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