「アギーレ・神の怒り」 1973年 ドイツ(原題Aguirre der Zorn Gottes)

監督:ワーナー・ヴェルナー・ヘルツォーク
キャスト
Don Lope de Aguirre:クラウス・キンスキー、
他いろいろ


ものすごくネタバレをふくむ感想


最初に見たときは、「…?…」何を言いたい話なのかがちっともわからなくて困った。

多分、ヨーロッパ人の世界観を、武力を持ってして無理矢理新大陸に持ち込むことの愚かさとか、
自然(この場合はジャングルから飛んでくる矢や熱病)に、逆らってなんかするなんて、
人間ってそんなに偉いのかよ?バカじゃねぇの。
…という話なんだろうなぁと思いました。

それにしても、アギーレの顔が怖い(苦笑)、子供が見たら夜泣きする位怖い。

そして、見た後の何ともいえない、いやーな虚脱感。こりゃあ、何回も見るものじゃない。

などと思ったんですれど…、これがまた「キンスキー我が最愛の敵」を見てからですと、
黄金を求めてエル・ドラド目指して、ほぼ全滅するアギーレ一行の悲劇が、悲劇に見えなくなってくる。

部下をそそのかして誑かして最後には自滅するアギーレの狂気と、
クラウス・キンスキー自身が重なって、アギーレをみているのに、「キンスキー我が最愛の敵」のヘルツォークの
コメントが頭の中をよぎって、笑える話じゃないにも拘らず、つい笑ってしまうようになりました。
困ったものでございます。

クラウス・キンスキーは、本当に迷惑な人だなぁーとしみじみしながら最近は見ています。

自滅するほど壮大な夢にひきずられて、上流へ向かうアギーレ一行は、
‘若さ‘とか‘情熱‘とかそんなもののメタファーなのかと思ったり…。




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