「栄光の戦場」 1970年 アメリカ・イタリア合作作品(原題Il dito nella piaga) 監督:トニーノ・リッチ 音楽:リズ・オルトラーニ キャスト ノーマン・カー(B・ハスキンス):クラウス・キンスキー、 その他出演者ロベルトー・パガノ、レイ・ソーンダース、ジョージ・ヒルトン、ベッティ・ベル あらすじ 「激戦地イタリアの連合軍を勝利に導くまでを描く戦争大スペクタクル・アクション!」 士官学校を終了して早々、激戦地イタリアに飛ばされたべ国注意の任務は、衆人兵の銃殺刑を監督することであった。 最初の死刑囚は二人。民家を襲い娘を暴行した一等兵と士官に逆らって重症を負わせた伍長である。 二人の処刑が執行されようとした時、突然ナチスの襲撃に遭い、中尉と囚人二人だけが生き延びた。 中尉と囚人兵が前線本部に向かう途中、ナチスの戦闘部隊と遭遇、激戦の末、全滅させた。 そして彼等はサン・ミケール村に到着する。 その小さな村は、ドイツ軍、連合軍ともにイタリア制圧の重要拠点とみなし、総攻撃の目標とされていた。 新人将校と囚人兵が大活躍し、連合軍を勝利に導くまでを描く戦争大スペクタクルアクション!! …とビデオのパッケージには書いてありました。 1970年の作品ですから、CGとかSFXとかは無いんです。普通に火花と煙が上がっています。 キンスキーは民家を襲い娘を暴行した兵士役です。 名前が2つあるのは、銃殺刑がドイツ軍の襲撃でチャラになったのをいいことに、どさくさに紛れて 死人の認識票を首にかけ、死刑囚からノーマン・カーという人物に成りすましちゃったからです。 わー、ずるい(w)。ちょいワルどころか極悪ですね。死刑上等って感じです。態度も悪いです。 がっ!このふてくされた態度が似合うに合う。 処刑される前に他の兵士からタバコくれってねだるんですが、…そういう場合は普通一本でしょう? しかし、彼ったらご好意でくれた兵士から箱ごと奪い取っています。 ああ、悪いです。かっぱらいにもほどがあります。 「社会もルールもしったことか!」などと言い放っています。 こんなにワルが似合うというのも稀有の存在ですね〜(笑) その上、キンスキーの米軍姿…。何か、他の人と着こなし方が違いますね。 ショートジャケット着てるんですが、お洒落っぽい感じになっています。 彼は身長がやや低めなのですが、バランスよく見えます。 人相以外は、均整が取れた感じで一番カッコイイですよ〜。 まず、アラ探しから(苦笑)。えーと、もう一人の囚人兵役黒人の人は、英語を喋ります。 英語で歌を歌ったり、少年ミケールと話す時に英語で喋ってからたどたどしいイタリア語に言い直したりして、 雰囲気出ています。ドイツ軍は独逸語喋っています(多分)。 しかし、この映画に出てくる彼以外のアメリカ軍は全員イタリア語です。イエス!サーじゃなくてシニョールって 言ってるので、…何軍と何軍が戦っているのかわかりにくいです。(笑) ドイツVSイタリアか!?とか。 (…、そういえば、枢軸国の割にはイタリア軍がどうしたこうしたというような映画って あんまり見たこと無いな〜。だいたいVSドイツ軍だもんな。歴史を調べてみなくては:苦笑) 3オクターブボイスのキンスキーの声は…なんか、普段の声じゃない。太い声だな〜。 いつもの声でよかったのに…。吹き替えではないよな? アメリカ軍イタリア語バージョン(イタリア国内向け)と、英語バージョン(アメリカ向け)があるのだろうか? それと、やっぱ微妙に低予算なのかな?ドイツ軍は戦車2台と自走砲っぽいのが1台。 通な方なら、何戦車とかわかるんでしょうね。 おそらく、ドイツ兵役の人数は20人いないのではないだろうかと思われます。 んで、アメリカ軍はトラック一台とジープ2,3台くらいしかないんだろうなぁ。 撮りかたでがんばって大人数に見せてはいるのだけれど、たぶんこいつらも20人いないのでは…。 などと、思います。 どうでもいいけど、ビデオ・パッケージにはおもいっきり”サン・ミケーレ村”って書いてあったけど、映画の中では ”サン・ミケーレ市”って字幕だったし、”市長の挨拶”ってセリフがあったから、多分市なんだろう。(苦笑) で、ネタバレですが、ストーリーは、新人中尉さんと、他人に成りすました囚人兵が、サン・ミケーレ市に ドキドキしながら入ります。すさみきった囚人兵2人は、戦争が無い場所へ逃げようかなーと思っているのですが、 市民の暖かい歓迎を受けて、それぞれ守りたい人を見つけるのです。 んで、ここからホメゴロシ! サン・ミケーレで3人は”解放者が来た”と、それはもう大歓迎されてしまいます。 街の皆さんが、手に手に楽器を持ち演奏を始めます。 この曲は、その御三人様歓迎パーティでもかかるのですが、これがまた明るくてよい曲です。 なんか、紅の豚の飛行機作ってるシーンを髣髴とさせる感じです。 孤児のミケールと粗暴な黒人兵カルビンとの心の交流のシーンの曲も、心に染みる優しい 音楽がかかります。映画と曲が合っていますね。違和感ないです。 サン・ミケーレに疎開してきた姉ちゃんダニエラと、ノーマン(クラウス・キンスキー)の微妙な ラブ展開も、定番といえば定番なのですが、まるで罪と罰にでてきたラスコーリニコフが改心するような 展開で、キンスキー的には燃える役なのではないでしょうか。 ダニエラに「好きよ」っていわれて、頭をぷるぷるふって「そりゃあ、人違いだぜ」って言うシーンは ZAZAのツボを直撃しました。ダニエラが彼の認識票を読んで「ノーマン・カー…」という所なんか、 切ないっすね。その名前は死体から引っ剥がしてきた名で、彼の本名じゃないんですから。 そりゃ、ベタベタな展開かもしれませんが、人相の濃いキンスキーとアイラインべったりの ごっついメイクのダニエラ姉ちゃんがやっている分には、違和感ゼロ。 いいんです、突然の豪雨に、二人して廃屋で火を起こして、上着脱ぐ展開も アリアリだぁ!!見ていて恥ずかしくなんかないぞ!!どりゃぁー!!(…ぜいぜいはぁはぁ…) さて、…囚人兵二人は無理矢理連れてこられた嫌な戦争なのです。 自分さえ死ななければ良かったのです。 けれど、街の人との交流の中、二人の心は微妙に変わりつつありました。 大事なものを見つけた2人と、もとから真面目でやる気満々の新人中尉が街でのんびりしていると、 戦車を伴ったドイツ軍がサン・ミケーレを襲いに着ます。 3人戦う戦う!! 援体無しだ、前進守備だ!前に出すぎだキンスキー! 動きが異常に素早すぎるぞキンスキー! 多分、日々の生活の中で、間男がばれて相手のダンナに追いかけられて、窓から逃げたりとかしていて …普段から、素早く走り回っているのでしょうねぇ、などと思わせる早さです。 そして、最後の方ではダニエラの名前を呼びながら、キンスキーVS戦車の一騎打ち!! かっこよすぎるぜ!!くーっ!! これで、キンスキーかなり人気者になったと思います。 昔の映画の割には、テンポの悪さとか時間の長さとか、あまり感じませんでした。 常に”つぎどうなるの?”みたいなドキドキ間が3人の中にあるせいでしょうね。 DVDは出ていないようですし、見方を変えるとベタベタすぎかもしれませんが、結構名作なのではないかと 思われます。どこかで見かけた折にはぜひ見てみてください。 PS そうそう 後半ドイツ軍が退却する所で”まいった!まいった!”といっているようにしか 聞こえない所発見(爆笑)探偵ナイトスクープにおしえてあげようかしら…フフフ。 映画の感想メインへもどる |